デビューの瞬間には、さまざまなドラマがちりばめられています!
どんなスーパースターにも、新人の時がありました。
ここでは、さまざまなアーティストの最初の一歩をご紹介します。
今回は、クリストファー・クロスです。
これを読めば、きっとあなたも「聴いてみたい!」と思われるでしょう。
それでは、どうぞ。
デビューまで
どんな一流アーティストにもデビューの頃はあります。
いきなり大ヒットしたり、全く売れなかったりとさまざまですが、デビュー作からあまりにも成功してしまうと、以降の活動はかえって苦しくなるのではないでしょうか。
しかし、今回取り上げるシンガー・ソング・ライターはデビュー・アルバムでいきなり神話的な成功をしながらも、浮かれることなく着実な活動を続けています。
クリストファー・クロスは1951年、アメリカのテキサス州出身。彼の活動は、ハード・ロックバンドからスタートしました。
ギターの腕前は相当なもので、地元では名の知れたプレイヤーとなります。
時代はハード・ロック全盛期でしたが、彼もギブソン社のフライングVという特徴的なスタイルのギターを使っていました。
地元テキサスにディープ・パープルが公演で訪れた際、病気のリッチー・ブラックモアに代わってギターを弾いたという有名な逸話もあります。
南から来た男 Christopher Cross
やがて彼の活動は、とあるプロデューサーの目に留まりました。
そして大手レコード会社のワーナーからデビューすることが決まったのです。
クリストファー・クロスのデビューアルバム「南から来た男」は、1979年の12月に発表されました。
まだ新人ながら豪華なバック・ミュージシャンを従えてレコーディングされたこのアルバムは、高い評価を受けます。
当時、アメリカではボズ・スキャッグスをはじめとするウエスト・コースト・サウンドが大流行していました。
さわやかな風のような心地よいサウンドは、ソフト・ロックやAORと呼ばれ、一大ブームとなります。
「南から来た男」も、洗練された演奏とクリストファー・クロスの透き通るボーカルで人気となり、アルバム・チャートの6位まで上昇。
最終的にはアメリカだけで500万枚を売り上げる彼の代表作となりました。
そして彼はアメリカの音楽界で最も高い権威を持つグラミー賞で、快挙をなしとげます。
1981年の授賞式において、最優秀アルバム賞、最優秀レコード賞、最優秀楽曲賞、最優秀新人賞の主要4部門を独占したのでした。
クリストファー・クロスは80年代前半、一躍音楽界をリードする存在となったのです。
今回は、クリストファー・クロスの最初の一歩をご紹介しました。
このアルバムをAmazon Musicで聴いてみましょう。おまけ クリストファー・クロス その他のおすすめアルバム3選
アナザー・ページ Another Page
1981年、クリストファー・クロスはシングル「ニューヨーク・シティ・セレナーデ」を発売します。
この曲はビルボードのシングルチャートで1位を獲得しました。
そして1983年、大ヒットしたデビューアルバム「南から来た男」につづく2枚目の作品「アナザー・ページ」を発売します。
前作に続き、豪華なバック・ミュージシャンが参加しました。
「アナザー・ページ」発売時、彼の人気は頂点に達しています。アルバムチャートでは11位まで上昇しました。
代表曲「オールライト」は、いつ聴いても気持ちのよい、爽やかな曲です。
当時発売された「アナザー・ページ」のカセットテープには、大ヒット曲「ニューヨーク・シティ・セレナーデ」がボーナス・トラックとして収録されていました。
このアルバムをAmazon Musicで聴いてみましょう。ターン・オブ・ザ・ワールド Every Turn of the World
1985年に発売された、3枚目のアルバムです。
時代を反映してか、1枚目、2枚目にくらべて、ややハードな音作りになりました。
しかし、爽やかな歌声はあいかわらずです。
「ラヴ・イズ・ラヴ」という曲では、日本語で「アイシテマス」と歌われる部分も。
クリストファー・クロスは日本でも愛されている歌手だということがわかります。
ジャケット写真を見ていただけるとわかりますが、彼は無類のカー・レース好きでした。
ビルボードのアルバムチャートは127位と、若干ざんねんな結果となりました。
このアルバムをAmazon Musicで聴いてみましょう。バック・オブ・マイ・マインド Back of My Mind
1988年に発売された4枚目のアルバムで、ワーナー・レコードからの最終作となりました。
アルバム最大の聴きどころは、フランセス・ルフェルとのデュエット曲「アイ・ウィル」です。
通常、男女のデュエット曲は、声の低い男性と高い女性の対比が魅力のひとつ。
しかし、高音が魅力のクリストファー・クロスです。結果、独特の魅力的な曲が生まれました。
ぜひ聴いていただきたい、おすすめの1曲です。
残念ながら、「バック・オブ・マイ・マインド」は、アルバムチャート入りを逃しました。
このアルバムをAmazon Musicで聴いてみましょう。