デビューの瞬間には、さまざまなドラマがちりばめられています!
どんなスーパースターにも、新人の時がありました。
ここでは、さまざまなアーティストの最初の一歩をご紹介します。
今回は、ジョー・コッカーです。
これを読めば、きっとあなたも「聴いてみたい!」と思われるでしょう。
それでは、どうぞ。
デビューまで
ジョー・コッカーは1944年イギリス、ヨークシャー州生まれのシンガーです。
少年時代から音楽に興味を持ち、ロックン・ロールやブルース、リズム・アンド・ブルースを聴いて育ちました。
10代になるとドラムを始め、またバンド活動もスタートさせます。
このころ最も影響を受けたアーティストはレイ・チャールズでした。
15歳の頃、彼はガス会社に就職します。しかし、音楽への情熱は冷めず、仕事の傍ら、酒場などで歌っていました。
当時のレパートリーは、レイ・チャールズなどのリズム&ブルースや、マディ・ウォーターズなどのブルースです。
これらの曲を、独特のブルージーな歌い方で歌うジョー・コッカーは、しだいにその存在を知られるようになっていきました。
1963年19歳のころ、当時結成していたバンドで、ローリング・ストーンズのライブのオープニング・アクトを務めます。
ストーンズから推薦を受けたジョーは、デッカ・レコードとソロ・シンガーとして契約を結ぶことに成功しました。
そして翌1964年、ビートルズのカバー曲「ぼくが泣く」でデビューします。
デッカ・レコードは彼を大いにプッシュしましたが、残念なことに売り上げは伸びず、最初のデビューは失敗に終わりました。
結局、デッカとの契約も打ち切りになります。
彼はしばらく、失意の日々を送ることになりました。
その後、新たなバンドを結成したり、フランスへ渡って演奏するなどの地道な活動期間が続きます。
そして1968年、新たなチャンスをつかみました。
復活を期して、前年から作っていたデモ・テープがレコード会社に認められたのです。
こうして、A&Mレコードから2度目のデビューをすることになりました。
A&Mから発売された2曲目のシングル・レコード、ビートルズのカバー曲「ウィズ・ア・リトル・ヘルプ・フロム・マイ・フレンズ」がイギリスで大ヒット。
しばらくして、ついに1位まで上り詰めます。
また、アメリカでもシングルチャートで68位まで上昇しました。
ビートルズのオリジナルはリンゴ・スターのほのぼのとした歌が特徴でしたが、このカバー曲は全く違っています。
ジョー・コッカーは、持ち前のパワフルな歌唱力で、この曲をソウルフルなナンバーに大変身させたのです。
ジョー・コッカーのシャウトする「ウィズ・ア・リトル・ヘルプ・フロム・マイ・フレンズ」を聴いた作曲者のポール・マッカートニーは、このカバーを大絶賛しました。
こうして、苦労の末にジョー・コッカーは人気ボーカリストとして成功を収めたのです。
心の友 With a Little Help from My Friends
1969年、デビューアルバム「心の友」が発表されました。
カバー曲が多くを占めていますが、どの曲もジョー・コッカー独自の解釈により、歌唱力を活かした作品に仕上がっています。
アルバムはアメリカで特に成功し、アルバムチャートの35位まで上昇、50万枚を売り上げました。
母国イギリスでは、後に2枚目のアルバムとセットで再発売された際に29位になっています。
「心の友」は、これまでの人生経験が見事に反映された、彼のキャリアを語るうえで外せない作品です。
今回は、ジョー・コッカーの最初の一歩をご紹介しました。
このアルバムをAmazon Musicで聴いてみましょう。おまけ ジョー・コッカー その他のおすすめアルバム2選
マッド・ドッグス&イングリッシュメン Mad Dogs & Englishmen
1970年に発表された、2枚組のライブ・アルバムです。
アメリカで行われたライブ・ツアーを収めたもので、レオン・ラッセルのバックアップによるメンバーを中心に作成されました。
このアルバムでしか聴けないカバー曲も収録されていて、単なるライブ盤ではなく、ジョー・コッカーの重要な作品のひとつとなっています。
ゲスト出演したリタ・クーリッジが歌う「スーパースター」は名曲として知られています。
ジョー・コッカーの全盛期を知ることができる名盤です。
ビルボードのアルバムチャートでは、2位と大ヒットしました。
このアルバムをAmazon Musicで聴いてみましょう。アイ・キャン・スタンド・ア・リトル・レイン I Can Stand a Little Rain
1974年に発表された、スタジオアルバムとしては4枚目の作品。
「ジョー・コッカーを聴いたことがないけど、1枚目はなにがいいかな」、というかたに、ぜひおすすめのアルバムとなっています。
聴きどころは、なんといっても名バラード「ユー・アー・ソー・ビューティフル」。
彼の、魂のふるえる名唱が堪能できます。
ジェフ・ポーカロやバーナード・パーディーなど、凄腕のミュージシャンが多数参加していて、サウンドも完璧です。
アルバム・ジャケットも素敵ですね。
ビルボードのアルバムチャートでは11位まで上昇しました。
このアルバムをAmazon Musicで聴いてみましょう。