デビューの瞬間には、さまざまなドラマがちりばめられています!
どんなスーパースターにも、新人の時がありました。
ここでは、さまざまなアーティストの最初の一歩をご紹介します。
今回は、ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースです。
これを読めば、きっとあなたも「聴いてみたい!」と思われるでしょう。
それでは、どうぞ。
デビューまで
ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースは1979年、アメリカのカリフォルニア州で結成されたロック・バンドです。
ボーカルで中心人物のヒューイ・ルイスは1950年ニューヨーク生まれ。ヒューイがまだ幼いころ、家族はカリフォルニア州に移り住みました。
少年時代から音楽好きでしたが、ティーン・エイジャー時代に打ち込んだのは野球です。
なんと州の代表選手に選ばれるほどでした。
彼のスポーツ好きは、後のアルバム・タイトルにも表れていますね。
そんなヒューイは、高校を卒業すると、ヨーロッパ放浪の旅に出ます。
時代はまさに、ヒッピー全盛期でした。
放浪中にトレード・マークであるハーモニカを習得します。
やがて上達した彼は、ストリート・パフォーマーのようにお金を稼ぐまでになりました。
アメリカに戻るとヒューイはニューヨークの名門大学に進学しますが、バンド活動のほうに夢中になり、やがて退学します。
気ままにヨーロッパを旅してきた自由人のヒューイにとって、大学の雰囲気は窮屈なだけでした。
大学をやめてニューヨークからカリフォルニア州サンフランシスコに戻ったヒューイは、本格的に音楽活動を開始することを決意します。
しかし、食べていかなくてはならないため、この時期に彼は、さまざまな仕事を経験しました。
1971年、ヒューイはサンフランシスコを拠点とするカントリー・ロックバンド「クローバー」に加入します。
クローバーは同じサンフランシスコ出身で大成功したクリーデンス・クリアウォーター・リバイバルの後継者として期待されたバンドでした。
しばらくしてクローバーは活動拠点をイギリスに移します。
ヒューイはハーモニカとボーカルを担当していましたが、残念ながらバンドは成功するには至りませんでした。
メンバーの脱退もあり1978年、クローバーは解散します。
クローバー解散後、イギリスからサンフランシスコに戻ったヒューイは、酒場で演奏する「バー・バンド」として活動しました。
やがて、彼のまわりに後々まで一緒に活動することになるメンバーが集まってきます。
1978年、フォノグラム・レコードと契約。そして、「ヒューイ・ルイス&ジ・アメリカン・エキスプレス」が結成されました。
シングル・レコードを発表しましたが、ヒットには至りません。
翌1979年、バンドはクリサリス・レコードに移籍します。
この時レコード会社は、カード会社から商標侵害で訴えられるのを恐れて、バンド名を変えるように指示。
こうしてついに、ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースが誕生したのです。
ヒューイ・ルイス30歳のときでした。
ヒューイ・ルイス&ザ・ニュース Huey Lewis & the News
彼らのデビューアルバム「ヒューイ・ルイス&ザ・ニュース(Huey Lewis & the News)」は1980年に発表されました。
パブロックやガレージロックなどの影響を受けた、シンプルなロックサウンドは耳に心地よい風のようです。
3分程度の曲が多く、アルバム全体も30分ほどで一気に聴けます。
売り上げですが、ビルボードのアルバムチャートで203位と、デビューを華々しく飾る結果とはなりませんでした。
しかし、後の大成功を予感させるポップであたたかい彼らの魅力が十分に発揮されたアルバムです。
今回は、ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースの最初の一歩をご紹介しました。
このアルバムをAmazon Musicで聴いてみましょう。おまけ ヒューイ・ルイス&ザ・ニュース その他のおすすめアルバム
スポーツ Sports
1983年に発売された、彼ら3枚目のアルバムです。
大ヒットを記録した、ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースの代表作。
売れに売れて、ビルボードの年間アルバムチャートで2位を記録しました。
下積みの長かったヒューイですが、ようやくスターの仲間入りを果たします。
このアルバムからは、トップ10ヒットが4曲も誕生しました。
ビルボードのアルバムチャートでは当然、1位を記録。1980年代を代表するアルバムの一つと言っていい作品です。
FORE! Fore!
1986年に発表された、彼ら4枚目のアルバムです。
前作「スポーツ」の勢いそのままに、このアルバムもビルボードのアルバムチャートで1位となりました。
彼らの人気は日本でも高く、来日公演も大盛況となります。
この時期は、映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の主題曲「パワー・オブ・ラヴ」がビルボードのシングルチャートで1位を獲得するなど、彼らの絶頂期でした。
スモール・ワールド Small World
1988年に発売された、5枚目のアルバムです。
前作ほどの派手さはなく、落ち着いた印象の作品となっています。また、メッセージ性の高い曲が含まれているのも特徴です。
ジャズ、フュージョン的な音作りも見られ、彼らの新しい一面を発揮したアルバムとなりました。
ビルボードのアルバムチャートでは、11位を記録しています。