デビューの瞬間には、さまざまなドラマがちりばめられています!
どんなスーパースターにも、新人の時がありました。
ここでは、さまざまなアーティストの最初の一歩をご紹介します。
今回は、ブラッド・スウェット・アンド・ティアーズです。
これを読めば、きっとあなたも「聴いてみたい!」と思われるでしょう。
それでは、どうぞ。
デビューまで
ブラッド・スウェット・アンド・ティアーズは1967年、ブルース・ミュージシャンのアル・クーパーを中心にして結成されたロック・グループです。
特徴としては、ロック・バンドにブラス・セクションを大胆にプラスしたサウンドが挙げられます。
このブラス・ロックは、60年代後半から70年代前半にかけて大いに流行しました。
アル・クーパーは60年代中頃からセッション・ミュージシャンとして活動しています。
知的というか、ひねりのきいた、ちょっぴり曲者なミュージシャンです。
シンガー・ソング・ライターとしてのソロ活動と並行して、さまざまなグループやプロジェクトをプロデュースしていました。
いわゆるニュー・ロック(日本独自の表現)の担い手の一人として、日本でも多くのファンを獲得しています。
当時、アル・クーパーは在籍していたブルース・プロジェクトというバンドを脱退して、新たな音楽を模索していました。
そんな彼が行きついたサウンドが、ブラス・ロックです。
1968年、ブラッド・スウェット・アンド・ティアーズとしてのデビューアルバム「子供は人類の父である」が発表されました。
このタイトル「Child Is Father to the Man」の意味は、日本のことわざ「三つ子の魂百まで」です。
子供は人類の父である Child Is Father to the Man
このアルバムには、さまざまな要素が見られました。
まず、アル・クーパーの特性としてのブルース色。さらに、当時のサイケデリックな雰囲気、フォーク、カントリーなど、時代を強く反映したサウンドです。
決して派手ではありませんが、ブラス・セクションも曲にすごく溶け込んでいて、演奏力も高いものでした。
アルバムチャートでは47位という結果でしたが、売れ行き以上に評価の高いアルバムとなっています。
夢に出てきそうな印象的なアルバム・ジャケットも忘れられません。
ブラッド・スウェット・アンド・ティアーズは、セカンドアルバム「血と汗と涙」で、一気に成功します。
しかし、その時すでにアル・クーパーはバンドから去っていました。
ブレイクする前ということで、「子供は人類の父である」は目立たない位置にいます。
しかし、ブラッド・スウェット・アンド・ティアーズの独特な音楽性が際立っている、聞きのがせない作品です。
今回は、ブラッド・スウェット・アンド・ティアーズの最初の一歩をご紹介しました。
このアルバムをAmazon Musicで聴いてみましょう。おまけ ブラッド・スウェット・アンド・ティアーズ その他のおすすめアルバム
血と汗と涙 Blood, Sweat & Tears
一般的には、ブラッド・スウェット・アンド・ティアーズの代表作と言えるアルバムが「血と汗と涙」です。
創設者アル・クーパーの手を離れたバンドでしたが、新しく加入したボーカルのデヴィッド・クレイトン・トーマスが見事にハマりました。
デヴィッドのソウルフルな歌声と、ポップになった聴きやすい音作りが大当たり。空前の大ヒットとなりました。
1968年の年末に発売されたこの作品は、ビルボードのアルバムチャートで7週間にわたって1位を記録します。
「スピニング・ホイール」などの大ヒット曲も生まれました。
最終的にアメリカ国内だけで400万枚以上を売り上げています。
このアルバムをAmazon Musicで聴いてみましょう。ブラッド・スウェット&ティアーズ3 Blood, Sweat & Tears 3
1970年に発表された、彼らの3枚目のアルバムです。
前作「血と汗と涙」の勢いもそのままに、この作品からもヒットシングル「マックエヴィル」が生まれました。
デヴィッド・クレイトン・トーマスのボーカルは、あいかわらずパワフルです。
アルバムチャートでは1位を獲得。実力を見せました。
ブラッド・スウェット・アンド・ティアーズはメンバー間で内紛が持ち上がったりと、決して順風満帆ではありませんでしたが、その後も息の長い活動をつづけました。
このアルバムをAmazon Musicで聴いてみましょう。