【デビュー物語】ボブ・ディラン

デビューの瞬間には、さまざまなドラマがちりばめられています!

どんなスーパースターにも、新人の時がありました。

ここでは、さまざまなアーティストの最初の一歩をご紹介します。

今回は、ボブ・ディランです。

これを読めば、きっとあなたも「聴いてみたい!」と思われるでしょう。

それでは、どうぞ。

デビューまで

2016年にノーベル文学賞を受賞、フォーク、ロック界において最重要人物のひとりであるシンガーソングライターのボブ・ディラン。

彼にも当然ながら無名時代、そしてデビューへと歩んでいた時期がありました。

ボブ・ディランは1941年、アメリカのミネソタ州生まれ。少年時代から音楽に興味を持ち、カントリー歌手のハンク・ウィリアムスに夢中になります。

その一方で読書にも夢中になり、さまざまに読みふけっては本の世界の住人となっていました。

彼が少し大きくなると、時代はロックンロールの全盛期となります。

エルヴィス・プレスリー、バディ・ホリー、リトル・リチャードなどに影響を受けた彼は、ピアノやエレキ・ギターを手にして、本格的に演奏活動をスタートしました。

大学に進学したディランですが、結局中退してしまいます。

彼の音楽スタイルは、少年時代に夢中になっていたロックンロールから、フォーク・ソングやブルースなど、アメリカのルーツ・ミュージックへと移り変わっていました。

そして20歳のとき、彼はニューヨークへと旅立ったのです。

1961年、ニューヨークに出てきたボブ・ディランは、グリニッジ・ヴィレッジのクラブなどで演奏するようになりました。

しばらくして彼は、大手レコード会社コロㇺビアの著名なプロデューサー、ジョン・ハモンドの目に留まります。

彼は20歳にしてプロ・デビューへの切符を手に入れたのでした。

ボブ・ディラン Bob Dylan

彼のデビューアルバム「ボブ・ディラン」は1961年の冬にレコーディングされ、翌1962年の春に発表されます。

収録曲は、自作が2曲と、フォーク、ブルースなどのトラディショナル・ソング11曲でした。

一聴して印象的なのは、彼の独特なしゃがれ声です。

とても20歳の若者とは思えないですが、この歌い方にディランはこだわっており、ただ単にブルース・マンの真似をしただけではない本質的なものでした。

自作曲の「ニューヨークを語る」は、彼がニューヨークに出てきた時の出来事をユニークに、伝統的なトーキング・ブルースのスタイルで歌った曲です。

もうひとつは重要な曲「ウディに捧げる歌」。ディランが最も初期に作った曲のひとつで、尊敬するフォーク・ソング界の巨人、ウディ・ガスリーに対する感謝を歌ったものでした。

「ニューヨークを語る」のディランとは違う、彼の真摯な姿を見ることができます。

「ボブ・ディラン」は残念ながらアルバムチャートに入ることはできませんでした。

彼の才能は次の作品「フリーホイーリン・ボブ・ディラン」で一気に開花することになります。

「ボブ・ディラン」は、彼のスタイルがデビューからすでに確立されていたことを示す重要な作品です。

今回は、ボブ・ディランの最初の一歩をご紹介しました。

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おまけ ボブ・ディラン その他のおすすめアルバム3選

フリーホイーリン・ボブ・ディラン The Freewheelin’ Bob Dylan

1963年5月に発売された、2枚目のアルバム。

デビュー間もないボブ・ディランを、一気にフォーク界のスターに押し上げた作品です。

代表作「風に吹かれて」が収録されました。

他にも、ボブ・ディランを代表する数々の作品がおさめられています。

なかでも「戦争の親玉」は強烈です。

ボブ・ディランの歌を、どのように受けとめるかは、聴いているあなた次第です。

ぜひ、日本語の訳詞を見ながら聴いてください。

アルバムは、アメリカで22位でしたが、イギリスでは1位を記録しました。

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追憶のハイウェイ61 Highway 61 Revisited

1965年8月に発売された6枚目のアルバムです。

これまでの作品でフォーク界に確固たる地位をきずいたディランが、ロック界に殴りこみをかけたアルバムとなりました。

ディランの曲作りは前作までと大きく変わってはいないのですが、音はハードになっています。

ディランの代名詞となった「ライク・ア・ローリング・ストーン」では、アル・クーパーのオルガンがすばらしい彩りをそえました。

ディラン本人が演奏したパトカーのサイレン音が印象的な「追憶のハイウェイ61」も名曲です。

「廃墟の街」は11分を超える、いつまでも余韻ののこる、美しくせつない曲となっています。

アルバムはアメリカで3位、イギリスで4位と、大ヒットになりました。

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血の轍 Blood on the Tracks

1975年1月に発売された15枚目のアルバムです。

70年代のボブ・ディランを代表する1枚となりました。

時代によって音作りを変えてきたディランですが、この作品はシンプルで絶妙なバック・ミュージシャンの演奏により、ひじょうに聴きやすくなっています。

「ボブ・ディランはクセがつよすぎて、ちょっと苦手」と、いうかたにも、おすすめしたいアルバムです。

ディランの歌詞は、あいかわらずの冴えまくり。

1曲目「ブルーにこんがらがって」から、彼の世界にひきこまれていきます。

9分近い大作「リリー、ローズマリーとハートのジャック」は、完璧な物語にうっとりしているあいだに聴き終わってしまいます。

このアルバムは、アメリカで1位、イギリスでは4位を記録しています。

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