【デビューアルバム物語】ボズ・スキャッグス

デビューの瞬間には、さまざまなドラマがちりばめられています!

どんなスーパースターにも、新人の時がありました。

ここでは、さまざまなアーティストの最初の一歩をご紹介します。

今回は、さすらいのブルースマン、ボズ・スキャッグスです。

これを読めば、きっとあなたも「聴いてみたい!」と思われるでしょう。

それでは、ご覧ください。

少年時代

ボズ・スキャッグスは1944年、アメリカのオハイオ州カントン生まれのシンガーソングライター、ギタリストです。

少年時代、彼の一家はオクラホマ州、テキサス州と移住を重ねます。

ボズの楽しみは、ラジオから流れてくるレイ・チャールズやブルース・シンガーのジミー・リードの歌声を聴くことでした。

最初に手にした楽器は意外にもチェロで、12歳のときにギターを始めることになります。

そして学校で、彼の盟友となるスティーヴ・ミラーと出会います。

共にギターの練習に明け暮れました。

イギリスへ

1959年ボズはスティーヴのバンド、ザ・マークスメンに加入、ボーカルを担当することになります。

さらにボズとスティーヴは同じ大学に進学します。

ここでふたりはブルース音楽を演奏するバンドで活動を続けました。

しかし、音楽で身を立てることを決意したボズは大学を中退します。

ここから本格的にバンド活動を開始することとなりました。

1960年代前半のこの時期、イギリスでは黒人のブルースを白人が演奏する、いわゆるブルース・ロックが非常に盛り上がります。

ボズもこの流れに乗ることを決意。イギリスに渡りました。

放浪

いくつかのバンドで演奏しましたが、残念ながら成功には至りません。

しかしボズはアメリカには帰らず、ソロ・アーティストとしてヨーロッパ中を放浪する旅を始めます。

路上で演奏してお金を稼ぐ日々が続きました。

そしてスウェーデンのストックホルムにおいて、路上でのライヴをレコーディングしたアルバム「ボズ(Boz)」を発表します。

このアルバムはそもそも少数しかプレス(製造)されなかったので、特に注目されることもなく終わってしまいました。

その後いくつかのバンドで活動しますが、結局ボズはアメリカに帰ることになります。

スティーヴ・ミラー・バンド

1967年、転機が訪れました。盟友のスティーヴ・ミラーからバンド加入の誘いが来たのです。

ボズはサンフランシスコにおいてスティーヴ・ミラー・バンドの一員となりました。

2枚のアルバムに参加、自分の曲も採用され、ボズは確かな手ごたえをつかみます。

しかし、友人だったはずのスティーヴ・ミラーとボズとの間に、若干の溝ができてしまいました。

結局、音楽性の相違と自らのソロ活動のために、ボズはスティーヴ・ミラー・バンドを脱退します。

Boz Scaggs

1968年、ボズはアトランティック・レコードとソロとしての契約を結びました。

そして1969年に発表されたアルバムが彼の実質的なソロ・デビュー作「ボズ・スキャッグス&デュアン・オールマン(Boz Scaggs)」です。

ここでボズは、あくまでブルースをベースにしながらも、カントリーなど、さまざまな音楽を取り入れて起伏にとんだアルバムを創り上げています。

アメリカ南部の香り漂う、味わいのある作品です。

残念ながらヒットにはならず、アトランティック・レコードとの契約も終わってしまいます。

彼がAOR(アダルト・オリエンテッド・ロックの略で、洗練された大人のロック音楽)の大スターとして注目を浴びるのは、もうすこし先の話になるのでした。

今回は、ボズ・スキャッグスの最初の一歩をご紹介しました。

聴いてみたい!と思われたあなたは、こちらからどうぞ。
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