デビューの瞬間には、さまざまなドラマがちりばめられています!
どんなスーパースターにも、新人の時がありました。
ここでは、さまざまなアーティストの最初の一歩をご紹介します。
今回は、ドゥービー・ブラザーズです。
これを読めば、きっとあなたも「聴いてみたい!」と思われるでしょう。
それでは、どうぞ。
デビューまで
ドゥービー・ブラザーズは、アメリカのカリフォルニア州で1970年に結成されたロックバンド。
ウエスト・コーストロックを代表するゴージャスなサウンドと、ハーモニーの美しさが魅力です。
ボーカル、ギターのトム・ジョンストンとドラムのジョン・ハートマンの二人が出会ったことによってスタートしました。
やがてツイン・ギター、ツイン・ドラムのパワフルな編成のバンドとなります。
こう聞くと、ハードなロック・サウンドを連想されるかもしれませんが、実際に聴いていただけたらわかるように、彼らのサウンドは実にアコースティックで、繊細でした。
今回ご紹介するデビューアルバムはアコースティック・ギターを前面に出し、カントリーの風味も加え、それに爽やかなコーラスが乗っています。
しかし、ジャケット写真の強面さを見ると、ちょっぴり引いてしまいますよね。
さらにドゥービー・ブラザーズは、そのイメージに革ジャン、ジーンズ、オートバイなどハードなものを使用しているので、そのあたりが苦手なかたには取っつきにくいかもしれません。
実際にメンバーはハーレーを乗り回していました。
彼らのサウンドは、ほどなくして名プロデューサー、テッド・テンプルマンの目に留まります。
彼のプロデュースがドゥービー・ブラザーズの成功の一端を担ったのは間違いありません。そのくらい良い相性でした。
ドゥービー・ブラザーズ・ファースト
1971年、ワーナー・ブラザース・レコードより彼らのデビュー・アルバム「ドゥービー・ブラザーズ・ファースト」が発表されます。
リズム&ブルース色の強いトム・ジョンストンの曲がメインですが、もうひとりのボーカリストであるパトリック・シモンズの曲も印象的でした。
シモンズのサザン・ロックの香りが漂うアコースティック・サウンドは、以降もずっとドゥービー・ブラザーズのアクセントとして欠かせないものになります。
このデビューアルバムではドラムはまだひとりでした。彼らならではのダイナミックなサウンドが見られるのは次作以降となります。
商業的にも成功とは言えませんでした。
しかし、このアルバムは決して悪い出来ではありません。
彼らのデビュー・シングルとなった1曲目の「ノーバディ」は爽やかな曲で、以降もライブでのレパートリーとなりました。
当初は残念ながらヒットしませんでしたが、後に再リリースされてシングルチャートの58位まで上昇します。
ドゥービー・ブラザーズはこれ以降、アメリカを代表するバンドの一つとして日本でも大人気となりました。
音楽性の変更、解散、再結成を経てこれだけ長く続いたのはやはり、元からしっかりと音楽性が確立していたからです。
そんな意味でも、このデビューアルバムは記念すべき作品と言えます。
今回は、ドゥービー・ブラザーズの最初の一歩をご紹介しました。
このアルバムをAmazon Musicで聴いてみましょう。トゥールーズ・ストリート Toulouse Street
1972年に発表された、彼らの2枚目のアルバムです。
ドゥービー・ブラザーズのテーマ・ソングとも言える「リッスン・トゥ・ザ・ミュージック」で幕を明ける名作。
デビューアルバムから1年で、彼らはものすごい成長をみせました。
ビジュアル的にはちょっと強面なイメージがある彼らですが、音楽は爽やかで繊細です。
「ドゥービーは、ベスト盤で充分」と思われているかたも多いですが、なにか1枚オリジナル・アルバムを聴くなら、ぜひおすすめの作品です。
ビルボードのアルバムチャートでは21位まで上昇しました。
このアルバムをAmazon Musicで聴いてみましょう。キャプテン・アンド・ミー The Captain and Me
1973年に発表された3枚目のアルバムで、彼ら初期の代表作です。
ライブでも欠かせない名曲「ロング・トレイン・ランニン」や「チャイナ・グローブ」が収められています。
まさしく、ドゥービーの音楽性が確立された、ロックの歴史を語るうえでも欠かすことのできない1枚となりました。
彼らのアルバムは、当時としては音質も良く、現在でも聴きやすいのが特徴です。
もしCDで購入される場合は、できるだけ新しいリマスター盤を探していただければ、さらに良い音質でお楽しみいただけます。
ビルボードのアルバムチャートでは7位となる大ヒットを記録しました。
このアルバムをAmazon Musicで聴いてみましょう。ミニット・バイ・ミニット Minute by Minute
1978年に発表された、彼ら8枚目のアルバムです。
リード・ボーカルがトム・ジョンストンからマイケル・マクドナルドに代わった、いわゆる後期ドゥービーの代表作です。
初期の爽快なギター・サウンドから、キーボードを前面に出したアダルトなイメージに変わりました。
ロックからソウル・ミュージックに変化した、と言えるくらいの大きな転換でした。
時流にもうまく乗った、このアルバムは大ヒット。
ビルボードのアルバムチャートで1位、さらに「ホワット・ア・フール・ビリーヴス」もシングルチャートで1位となります。
現在のリスナーからすれば、ドゥービーと言えばむしろこの時期のイメージのほうが強いのかもしれません。
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