【デビュー物語】浜田省吾

デビューの瞬間には、さまざまなドラマがちりばめられています!

どんなスーパースターにも、新人の時がありました。

ここでは、さまざまなアーティストの最初の一歩をご紹介します。

今回は、浜田省吾です。

これを読めば、きっとあなたも「聴いてみたい!」と思われるでしょう。

それでは、どうぞ。

デビューまで

浜田省吾は1952年、広島県生まれのシンガーソングライターです。

ビートルズ世代の彼は、少年時代からポピュラー音楽に親しみ、やがてギターを手にして演奏もするようになりました。

音楽に夢中になりながらも、まじめに勉学にいそしんでいたようです。厳格な父親の存在もあったといえます。

父親との関係は、のちに彼が作った曲に多大な影響を与えることになりました。

浜田省吾の高校生時代、日本の音楽シーンでは、フォーク・ソングが一大ブームとなっています。

学生運動が盛んな激動の時、「広島フォーク村」というアマチュアで作られたサークルができました。

中心人物の一人が、吉田拓郎です。

浜田省吾は広島フォーク村に加入はしませんでしたが、吉田拓郎をはじめとする様々な人たちとのつながりが、のちにデビューするきっかけになりました。

やがて吉田拓郎はプロになるため上京、浜田省吾も関東の大学に進学するため故郷の広島を離れます。

しかし彼の音楽を追求していく情熱は抑えきれず、1973年には大学を辞めて広島に帰りました。

そして結成されたバンドが愛奴(あいど)です。

浜田省吾はギターではなくドラムを担当することになりました。

プロ・デビューを目指していた愛奴は、上京してオーディションを受けるチャンスを得ます。

そして吉田拓郎のバックバンドを務めることになったのでした。

吉田拓郎と浜田省吾のつながりは運命的です。

愛奴はレコード・デビューも果たしますが、活動に行き詰まりを感じていた浜田省吾は、1975年にバンドを脱退。

さまざまな経験を経て、ついに翌1976年ソロ・デビューをすることになったのでした。

生まれたところを遠く離れて

デビューアルバム「生まれたところを遠く離れて」のジャケット写真ですが、風邪をひいていた浜田省吾はスタジオ内というのに厚着をしています。

羽織っているジャケットは、父親からもらった物でした。

アルバムと同時に、シングル「路地裏の少年」も発表されました。

「路地裏の少年」は、彼の代表曲として、今でも不滅の輝きをもっています。

浜田省吾は、すべて自作の曲で勝負をかけ、ソング・ライターとして原石のようなきらめきを見せました。

このアルバムで燃え尽きてもいい、そういった覚悟がうかがえます。

自分の生きざまを振り返った、フォーク・ソング風の内省的な曲が多いのが特徴となっています。

ビートルズ、ビーチ・ボーイズ、ボブ・ディランなど、影響を受けてきたアーティストからの影響も強く見られました。

そして、なんといっても歌声です。「路地裏の少年」の歌いだしの部分などは、何度聴いてもしびれます。

かろやかな曲もあるのですが、全体的には硬派で骨太なフォーク・ロック調のアルバムになっていました。

しかし、このデビューアルバムは残念ながらヒットには至りません。

追い打ちをかけるように、メディアからは批判的な評価を受けます。

当時は、ニュー・ミュージックと呼ばれるポップで軽快なサウンドがもてはやされていました。

批評する人の目に浜田省吾の音楽スタイルは、時代遅れに映ってしまったのです。

彼の中にはロック志向がずっとあったのですが、理想とする音楽をやれるようになるまで、しばらくイバラの道が続くことになりました。

歌手に作家として曲を提供したりしますが、自らのヒット曲はなかなか生まれません。

しかし、その後の浜田省吾の成功、長く活動していることを見ると、デビュー後数年の試行錯誤の期間は決して無駄でなかったことがわかります。

彼の原点として、「生まれたところを遠く離れて」は不滅のアルバムです。

今回は、浜田省吾の最初の一歩をご紹介しました。

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おまけ 浜田省吾 その他のおすすめアルバム3選

Illumination

1978年9月に発売された、3枚目のアルバムです。

浜田省吾を代表する名バラード「片想い」が収録されています。

アレンジも洗練されてきて、聴いていてここちよい音作りになっていますが、彼の理想とするバンド・サウンドは、まだ実現していません。

まだまだ下積み時代のアルバムですが、成功のきざしが見えた、おすすめの1枚です。

オリコンのアルバムチャートでは、これまでの最高位となる66位を記録しました。

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君が人生の時…

1979年12月に発売された5枚目のアルバムです。

7月に発売されたシングル「風を感じて」が、CMにつかわれたこともあって、オリコン25位というヒットになりました。

「風を感じて」の成功を受けて、レコード会社はすぐにアルバムを出すことに。

そして年内に発売する、という荒業でつくられた作品です。

レコード会社は、アルバムタイトルも「風を感じて」にしたかったのですが、ここは浜田省吾側の主張がとおって「君が人生の時…」と、なりました。

アルバムジャケットもそうですが、ヒット曲にひっぱられていない、落ち着いたイメージの作品となっています。

初期の浜田省吾の集大成と言える、必聴のアルバムです。

オリコンのアルバムチャートでは25位まで上昇しました。

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DOWN BY THE MAINSTREET

1984年10月に発売された9枚目のアルバムです。

イラストで描かれたアルバムジャケットが印象的で、浜田省吾らしいロック色の強い曲が並びます。

「MONEY」は代表曲のひとつとなりました。

70年代の浜田省吾もすばらしいですが、いきおいに乗っている、80年代の彼もやっぱりすてきです。

楽しんで聴けますが、せつなさも感じられる作品となっています。

オリコンのアルバムチャートでは2位と、大ヒットを記録しました。

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