デビューの瞬間には、さまざまなドラマがちりばめられています!
どんなスーパースターにも、新人の時がありました。
ここでは、さまざまなアーティストの最初の一歩をご紹介します。
今回は、ジム・クロウチです。
これを読めば、きっとあなたも「聴いてみたい!」と思われるでしょう。
それでは、どうぞ。
デビューまで
シンガー・ソング・ライターのジム・クロウチは1943年、アメリカのペンシルベニア州生まれ。
今回ご紹介するアルバムは1972年、彼が29歳の時に大手レコード会社のABCより発表された、ソロ・デビュー作です。
それまでの期間もジムは自主製作でレコードを作ったり、奥さんのイングリッドとデュエットで音楽活動をしていました。
すでにプロと言ってよかったのですが、広く音楽ファンに知られることになったのは「ジムに手を出すな」から、ということになります。
売れない頃、彼は音楽だけで食べてはいけず、トラック運転手やセールスマンなど、いろいろな副業をしていました。
音楽活動から足を洗うことを真剣に考えることもあったほどです。
1970年、彼に大きな転機が訪れました。
ジムと同じシンガー・ソングライターの、モーリー・ミューライゼンとの出会いです。
最初はジムがモーリーのバックでギターを弾く、という形でコンビを組みましたが、いつのまにか逆転して、モーリーがジムのバックでリード・ギターを弾くことになりました。
ジム・クロウチが歌う映像がいくつか残っていますが、いつもジムの横に影のように寄り添うモーリー・ミューライゼンの姿を見ることができます。
さらに大きな出会いが。ジムとイングリッドの間に待望の赤ちゃんが生まれたのです。
ついにジムに運が向いてきました。
そしてABCレコードと契約を結ぶことができたのです。
ジムに手を出すな
待望のアルバム「ジムに手を出すな」ですが、ここからタイトル曲の「ジムに手を出すな」がビルボードのシングルチャート8位となる大ヒット。
ジムのそれまでの苦労が報われた瞬間です。
成功の要因は、なんと言っても彼の実力ですが、時代も味方してくれたと言えるでしょう。
サイケデリック・ロックやプログレッシブ・ロックなどで音楽がどんどんハードに、難解になっていった頃。
人々は癒しを求めていたのか、ジェームス・テイラーなどのシンガー・ソング・ライターが流行するようになっていました。
ジムの力強く、しかしやさしい歌声は多くの支持を得たのでした。
文句なくポップ。カントリーっぽさもあるのですが、都会的に洗練されていて、何とも言えない不思議な魅力があります。
アルバムは全体的にシンプルな伴奏で、ジムが軽快に歌う曲が多いのですが、ひときわ美しいバラードがありました。
「タイム・イン・ア・ボトル」は以前、ジムがイングリッドから「赤ちゃんができた」ことを告げられた時に作った曲です。
この曲は後にシングル・カットされて、ヒットチャートで1位となりました。
今回は、ジム・クロウチの最初の一歩をご紹介しました。
このアルバムをAmazon Musicで聴いてみましょう。おまけ ジム・クロウチ その他のおすすめアルバム
ライフ・アンド・タイムス Life and Times
1973年、シングル「リロイ・ブラウンは悪い奴」が発売され、ビルボードのシングルチャートで2週連続1位の大ヒットとなりました。
そして同じ1973年に発売されたアルバムが「ライフ・アンド・タイムス」です。
もちろん「リロイ・ブラウンは悪い奴」も収録されたアルバムは大ヒット。
ビルボードのアルバムチャートで7位まで上昇しました。
このアルバムをAmazon Musicで聴いてみましょう。美しすぎる遺作 I Got a Name
タイトルどおりジムの遺作となったアルバムで、1973年の12月に発売されました。
アルバムチャートでは2位と、大ヒットになっています。
シングル「アイ・ガッタ・ネイム」もシングルチャートの10位を記録しています。
ジムとイングリッドのあいだに生まれた息子のA.J.クロウチも、跡を継いでシンガー・ソング・ライターとなりました。
ジム・クロウチの優しい歌声は、いまも人々の心を癒しつづけています。
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