デビューの瞬間には、さまざまなドラマがちりばめられています!
どんなスーパースターにも、新人の時がありました。
ここでは、さまざまなアーティストの最初の一歩をご紹介します。
今回は、ザ・ビーチ・ボーイズです。
これを読めば、きっとあなたも「聴いてみたい!」と思われるでしょう。
それでは、どうぞ。
デビューまで
ザ・ビーチ・ボーイズは1961年、アメリカのカリフォルニア州で結成されたロック・バンドです。
中心メンバーのブライアン・ウィルソン(ボーカル、ベース、ピアノその他)は1942年生まれ。
幼いころより音楽的才能に恵まれていた彼はピアノに熱中し、家庭でも学校でも率先して演奏していました。
ハーモニーを付ける才能も天性のものがあり、兄弟にボーカルをレッスンしています。
12歳の頃には、早くも自分で作曲を始めました。
ブライアンはボーカル・グループの「フォー・フレッシュメン」に夢中になって、レコードを聴きまくります。
フォー・フレッシュメンのボーカルスタイルは、彼に強い影響を与えました。
高校生時代は、フットボールや野球などのスポーツにも励んでいましたが、やはりブライアンが心に決めていたのは音楽の道に進むことでした。
彼は、いとこのマイク・ラヴや弟のカール・ウィルソンらとバンドの練習に励むようになります。
ブライアンは大学に進学しますが、彼のやりたいポップ・ミュージックが大学の音楽教師に認めてもらえないこともあって、結局中退することに。
やがてブライアンを中心としたバンドは本格デビューに向けて、さらにリハーサルを重ねていきます。
バンド結成当時、ブライアン、カールそしてデニスのウィルソン兄弟、いとこのマイク・ラヴ、彼らの友人のアル・ジャーディンはペンドルトーンズと名乗っていました。
ウィルソン兄弟の中で、サーフィンをやるのはデニスだけでした。ある日、デニスは兄のブライアンに「マリン・スポーツの曲を書いてよ」と頼みます。
そこでブライアンはマイク・ラブと一緒に彼らのデビュー曲となる「サーフィン」という曲を作りました。
この「サーフィン」がキャンディックス・レコードという小さなレーベルから発売されて、小ヒット(75位)となるのです。
ザ・ビーチ・ボーイズという名前は、レコード会社によって勝手につけられました。
候補としては「サーファーズ」があったのですが、すでにその名前のグループは存在していたためザ・ビーチ・ボーイズとなったのです。
やがてベース担当だったアル・ジャーディンが一時的にバンドを脱退したため、ライブではブライアンがベースを担当することになりました。
ブライアンは、その音楽的才能ですぐにベースを弾きこなすようになります。
サーフィン・サファリ Surfin’ Safari
バンドはさらなる発展を求めていました。
ウィルソン家の両親の熱心な売り込みが成功し、ついに大手のキャピトル・レコードと契約を結びます。
キャピトルからのデビューシングル「サーフィン・サファリ」はシングルチャート14位の大ヒットとなりました。
そして1962年、ザ・ビーチ・ボーイズのデビューアルバム「サーフィン・サファリ」が発表されます。
アルバムチャートでは32位まで上昇しました。
以後、ザ・ビーチ・ボーイズはカリフォルニアだけでなく、アメリカを代表するバンドとして長く活動を続けていくことになります。
そんな彼らのデビューアルバムは、長い長い「終わりなき夏」のスタート地点として忘れられない1ページとなりました。
今回は、ザ・ビーチ・ボーイズの最初の一歩をご紹介しました。
アルバムをAmazon Musicで聴いてみましょうおまけ ザ・ビーチ・ボーイズ その他のおすすめアルバム
サーファー・ガール Surfer Girl
1963年に発表された、彼ら3枚目のアルバムです。
ブライアン・ウィルソンの才能は、早くも炸裂しました。
「サーファー・ガール」で幕を開け、つづく「キャッチ・ア・ウェイヴ」へと、名曲のリレーが続きます。
サーフィンやクルマなど、当時の若者たちの青春群像が描かれました。
ザ・ビーチ・ボーイズ初期の代表アルバムです。
ビルボードのアルバムチャートでは、7位を記録しました。
シャット・ダウン・ヴォリューム2 Shut Down Volume 2
1964年に発売された、ザ・ビーチ・ボーイズ5枚目のアルバムです。
「ファン・ファン・ファン」でスタートするこのアルバムもまた、初期の彼らの代表作となりました。
聴きどころは、なんと言っても名バラード「ドント・ウォリー・ベイビー」。
やはり、こういった曲こそがザ・ビーチ・ボーイズの魅力です。
ビルボードのアルバムチャートでは13位となりました。
サーフズ・アップ Surf’s Up
1971年に発表されたアルバムです。
この頃のザ・ビーチ・ボーイズは低迷期とも見られています。
しかし、時代とともに紆余曲折してきた彼らの当時の姿を知ることができる作品となりました。
全体的に地味ではありますが、「サーフズ・アップ」や「ディズニー・ガール」などの美しい曲も収められています。
ファンの間では人気のアルバムの一つです。
ビルボードのアルバムチャートでは29位となりました。