デビューの瞬間には、さまざまなドラマがちりばめられています!
どんなスーパースターにも、新人の時がありました。
ここでは、さまざまなアーティストの最初の一歩をご紹介します。
今回は、ロックンロールのリズム・キング、ボ・ディドリーです。
これを読めば、きっとあなたも「聴いてみたい!」と思われるでしょう。
それでは、ご覧ください。
ヴァイオリンとギター
ボ・ディドリーことエラス・マクダニエルは1928年、アメリカのミシシッピ州生まれのロックンローラー、ギタリストです。
両親の事情により、彼は母親の従兄弟に育てられました。
5歳の時、一家はミシシッピからイリノイ州シカゴに移住します。
彼の音楽キャリアは、トロンボーンとヴァイオリンを学ぶことから始まりました。
特にヴァイオリンの腕前は優れていて、教会のオーケストラへの参加を勧められるほどでした。
さらに彼は、12歳の時に姉からプレゼントされたギターにも夢中になります。
少年時代、教会においてさまざまな音楽に触れたことは、その後の彼の音楽性に大きな影響を与えました。
ある時、ブルースマンのジョン・リー・フッカーの音楽に感銘を受けた彼は、ギターにそしてブルースにのめり込んでいくことになります。
デビュー決定
青年となったディドリーは、大工や整備士などの仕事に就きます。
そのかたわら、仲間とバンドを組んで路上などで演奏活動を行うようになりました。
1950年代に入ると彼らの演奏場所は路上から、クラブのステージへとランクアップしていきます。
ジョン・リー・フッカーやマディ・ウォーターズに影響を受けたブルースを演奏した彼らは、めきめきと腕を上げていきました。
1954年、ディドリーは自作の曲「アイム・ア・マン」と「ボ・ディドリー」のデモテープを制作します。
それが認められ、チェス・レコードの子会社であるチェッカー・レコードからのデビューが決まりました。
この2曲は再録音されることになります。
アイム・ア・マン
そして1955年、A面が「ボ・ディドリー」B面が「アイム・ア・マン」という強力なカップリングによるシングル・レコードが発表されました。
この曲はリズム&ブルースのチャートで2週連続1位という大ヒットとなります。
彼のトレード・マークは、ボ・ディドリー・ビートと呼ばれる独特のリズムでした。
まさに、リズムそのものが曲になっているという驚異的なサウンドです。
マラカスを加えた独特なバンド編成も異色ですが、ダイナミックにギターをかき鳴らしながらシャウトするという彼のスタイルは、その後のロック・バンドにまるごとコピーされることになりました。
まさに、ロックンロールの創造者のひとりと言える存在です。
ボ・ディドリー
アルバム「ボ・ディドリー」は、1958年にチェス・レコードから発表されました。
デビューから3年間に発表したシングル曲を収録した作品です。
彼のデビュー作であり、代表作でもある本作は、ロックンロールに興味があるなら避けては通れない重要なアルバムとなっています。
今回は、ボ・ディドリーの最初の一歩をご紹介しました。
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