【デビュー物語】チャック・ベリー

デビューの瞬間には、さまざまなドラマがちりばめられています!

どんなスーパースターにも、新人の時がありました。

ここでは、さまざまなアーティストの最初の一歩をご紹介します。

今回は、ロックンロールの創始者、チャック・ベリーです。

これを読めば、きっとあなたも「聴いてみたい!」と思われるでしょう。

それでは、ご覧ください。

少年時代

チャック・ベリーは1926年(諸説あり)、アメリカ、ミズーリ州セントルイス(これも諸説あり)生まれ。

シンガー・ソングライター、ギタリストです。

少年時代に聖歌隊で歌っていたことはありましたが、ギターを弾き始めたのは15歳と、決して早くはありませんでした。

高校生時代のチャックはギターを弾きながら歌うというスタイルで演奏していましたが、卒業直前の1944年、とんでもない事件を起こしてしまいます。

強盗事件

なんと、武装強盗で逮捕されてしまったのです。

カンザスシティにおいて、友人たちと共に3件の店で窃盗を働いたのち、ピストルを突き付けて車を強奪したというものでした。

チャック自身の弁によると、自分たちの車が故障してしまったので、仕方なく壊れて弾の出ないピストルで車を奪った、ということです。

ここから3年間、彼は少年院に収容されることになりました。出所したのは1947年、21歳の誕生日です。

出所したチャックは自動車組立工などさまざまな仕事に就きました。

また、このころに結婚して子供も授かっています。

復帰

50年代に入るとチャックは地元のクラブなどでバンド活動を始めました。

ブルースを基本に彼は自分のギター・スタイルを創り上げていきます。

このころから作曲も始め、ステージ・パフォーマンスにも磨きをかけていきました。

50年代の中ごろになると、チャックのバンドは次第に評判を呼ぶようになっていきます。

彼の特徴として、ブルースだけでなく白人の好むバラード、さらにはカントリー&ウエスタンまで演奏するという、レパートリーの広さがありました。

これにより、白人のファンも獲得していくことになります。

メイベリーン

1955年、チャックはイリノイ州シカゴを訪れます。レコード契約を獲得するためでした。

そこで大物ブルース・ミュージシャンのマディ・ウォーターズと会い、マディの所属していたチェス・レコードのオーディションを受けます。

オーディションでチャックは気に入られて、見事にデビューの権利を勝ち取ったのでした。

記念すべきデビュー・シングル「メイベリーン」はシングルチャートで5位、リズム&ブルースチャートでは1位という大ヒット。

ヒットチャートの成績を見ると、彼が黒人にも白人にも大うけしたアーティストだったことがわかります。

さらに歌詞の内容もクルマが登場するなどティーン・エイジャーの青春を歌ったコミカルなもので、まさに斬新なものでした。

アフター・スクール・セッション

1957年に発表された「アフター・スクール・セッション」はチャック・ベリー最初のアルバムです。

それまでに発売されたシングル曲のA面とB面が収録されていますが、デビュー曲「メイベリーン」は入っていません。

収録内容は、軽快なロックン・ロールあり、ブルースあり、カリプソ調の曲までありと、バラエティに富んでいました。

チャック・ベリーを聴くにあたっては、ベスト・アルバムではなくオリジナル・アルバムをおすすめします。

理由は、シングルのB面に収められたユニークなインストゥルメンタル(ボーカルの入っていない演奏だけの曲)が楽しめるからです。

インストゥルメンタル曲もチャックの持ち味の一つなので、ぜひご一聴を。

今回は、チャック・ベリーの最初の一歩をご紹介しました。

聴いてみたい!と思われたあなたは、こちらからどうぞ。
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