デビューの瞬間には、さまざまなドラマがちりばめられています!
どんなスーパースターにも、新人の時がありました。
ここでは、さまざまなアーティストの最初の一歩をご紹介します。
今回は、ドアーズです。
これを読めば、きっとあなたも「聴いてみたい!」と思われるでしょう。
それでは、どうぞ。
デビューまで
ドアーズは、1965年にアメリカのカリフォルニア州ロサンゼルスで結成されたロック・バンドです。
中心人物でボーカルのジム・モリソンは1943年フロリダ州生まれ。父親が海軍の軍人だったため、幼いころから転居が多い生活でした。
そんな中でジムは読書にふける少年時代を過ごします。
音楽よりも詩や哲学に強い興味を持っていたジムですが、やがてUCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)の映画学科に入学しました。
同じく映画学科で学んでいたのがキーボードのレイ・マンザレクです。
1939年、イリノイ州シカゴ生まれ。すでにバンド活動をしていて、ジャズやブルースを好んでいました。
1965年、ジムとレイは出会います。
ジムは自作の詩を聞かせ、それを気にいったレイは曲を付けました。
2人は意気投合し、すぐにコンビを組むことになります。
最初、彼らのバンドにはレイの兄弟が参加していましたが、ほどなく脱退。後任のギターにロビー・クリーガー、そしてドラムのジョン・デンスモアが加入しました。
ロビーは1946年カリフォルニア州ロサンゼルス生まれ。ジョンは1944年メイン州生まれです。
こうして、ドアーズのメンバーが揃いました。
最年長のレイがリーダー格となります。
レイ・マンザレク、ロビー・クリーガーそしてジョン・デンスモアに共通しているのは、ブルースそしてジャズに非常に強い影響を受けている点でした。
この3人の音楽性がジム・モリソンの演劇的な歌唱と相まって、他のバンドとは違うドアーズ独特の雰囲気を創り上げています。
やがてドアーズはライブ活動で大いに注目を集めるようになりました。
1966年、バンドはエレクトラ・レコードと契約を結びます。
そして1967年、ドアーズのデビューアルバム「ハートに火をつけて」が発表されました。
ハートに火をつけて The Doors
ライブを重ねていた彼らの演奏は、習熟していて見事です。
ジム・モリソンの強烈な個性が取りざたされることが多いドアーズですが、演奏陣のジャム・セッションにも似たぶつかり合いはアルバムに緊張感をもたらしました。
ドアーズにはベーシストがいないため、レイがキーボードで低音を出したり、ギターのロビーがベースを演奏したりしています。
アルバムは大ヒットしました。
アルバムチャートで最高2位、最終的にアメリカだけで400万枚を売り上げます。
シングル「ハートに火をつけて」はシングルチャートで3週連続1位。ドアーズの代表曲となりました。
この曲のシングル・バージョンは間奏部分がごっそりカットされて短くなっています。
11分を超える演奏時間の大作「ジ・エンド」も物議をかもした作品です。
この曲は後年、フランシス・フォード・コッポラ監督の映画「地獄の黙示録」にて印象的に使用されました。
コッポラ監督もまた、ジムやレイと同じくUCLAの映画化で学んだ人物です。
「ハートに火をつけて」は、ドアーズの代表作であるだけでなく、ロックの歴史において衝撃度では1、2を争う問題作となりました。
今回は、ドアーズの最初の一歩をご紹介しました。
アルバムをAmazon Musicで聴いてみましょうおまけ ドアーズ その他のおすすめアルバム
まぼろしの世界 Strange Days
1967年発表、彼ら2作目のアルバムです。
まず、奇妙なアルバムジャケットが目を惹きます。
そのジャケット写真のように不思議な、落ち着いた雰囲気の作品となっていました。
デビュー作と比べると地味ですが、彼らの世界観がもっとも現れたアルバムと言えます。
ビルボードのアルバムチャートでは、3位となりました。
ソフト・パレード Soft Parade
1969年に発表された、彼ら4枚目のアルバムです。
ストリングスなども効果的に使われ、ドアーズの作品の中でも聴きやすい、ポップな作品になっています。
作曲の面では、ギターのロビー・クリーガーの貢献が特徴的でした。
アルバムからは「タッチ・ミー」のヒットが生まれています。この曲は、ビルボードのシングルチャートで3位を記録しました。
アルバムの方も、ビルボードで6位と、大ヒットしています。
さまざまな意味で、ドアーズの転換点となった作品です。
L.A.ウーマン L.A. Woman
1971年、ボーカルのジム・モリソンは、訪れていたフランスのパリで不慮の死を遂げます。
よって、同年発表された「L.A.ウーマン」が、ドアーズのオリジナル・メンバーによる最後のアルバムとなりました。
アルバムタイトル曲「L.A.ウーマン」は、ポップで人気の高い曲です。
ブルースなど、アメリカの音楽の原点に立ち戻った雰囲気もあります。
ビルボードのアルバムチャートでは9位となりました。