【デビュー物語】サザンオールスターズ

デビューの瞬間には、さまざまなドラマがちりばめられています!

どんなスーパースターにも、新人の時がありました。

ここでは、さまざまなアーティストの最初の一歩をご紹介します。

今回は、サザンオールスターズです。

これを読めば、きっとあなたも「聴いてみたい!」と思われるでしょう。

それでは、どうぞ。

デビューまで

サザンオールスターズは70年代前半、大学の音楽サークルの仲間たちで結成されました。

中心人物の桑田佳祐は1956年、神奈川県出身です。

音楽好きだったお姉さんの影響もあり、歌謡曲からビートルズまで、音楽にかこまれた少年時代をすごしました。

中学3年生のときに友人がビートルズの「レット・イット・ビー」のシングルレコードを持って遊びにきます。

その日から「人生が変わった」と、後に語りました。

彼に影響をあたえたアーティストはビートルズ、弱さを含めて生き様にほれ込んだエリック・クラプトンなど。そして、ビートルズつながりで後にさかのぼって聴くことになったボブ・ディランがいます。

大学に進学した桑田佳祐は、音楽サークルに参加します。

のちのサザンオールスターズのメンバーたちと出会い、バンド活動をスタートしました。

何度かのメンバーチェンジ、そしてバンド名を変えながらアマチュアとしての活動を続けます。

そしてついに、レコード会社との契約を果たしました。

1978年にシングル「勝手にシンドバッド」でデビューします。

すぐにヒットというわけにはいきませんでしたが、たたみかけるように2か月後、デビューアルバム「熱い胸さわぎ」が発売されました(アルバム・チャート16位)。

その直後、テレビの歌番組に出演。注目曲ということでライブハウスからの中継でした。

熱狂する観客たちはすべて、スタッフによって動員された仕込み要員です。

ランニングシャツに短パンという奇抜な衣装、上半身ハダカの桑田佳祐、早口で何と言っているかわからない歌い方などで視聴者に衝撃をあたえました。

このテレビ出演をきっかけにして「勝手にシンドバッド」はじわじわとヒットチャートを登っていき、ついに大ヒットとなります(シングル・チャート3位)。

熱い胸さわぎ

1978年に発表されたサザンオールスターズのデビューアルバム「熱い胸さわぎ」。

デビュー曲「勝手にシンドバッド」で幕を開けるこのアルバムは、彼らの作品の中でもひときわ異彩を放っています。

デビュー作ということで、アマチュア時代から演奏していた曲が中心となるのですが、その完成度の高さは見事です。

まず挙げられるのはメンバーの演奏技術の確かさ。とくに、バンドの要となるドラムとベースは安定していて、学生バンドなんてとても言えません。

当時はバンド名義の曲でも、レコーディングではボーカル以外の楽器はスタジオミュージシャンが演奏していた、なんてこともありました。

あのビートルズでさえ、最初のレコーディングではプロデューサーは代わりのドラマーを用意していたほどです。

しかし、サザンオールスターズにはそんな必要は全くありませんでした。

当時、メンバーたちは年齢よりも老けて見られることが多かったそうです。

かといってこのアルバムに新鮮さが無いのか、といえば全然そんなことはありません。

この、永遠の先輩感というか、兄貴的な頼もしさもサザンオールスターズの魅力のひとつでした。

桑田佳祐の作る曲は、のちの作品から比べると粗削りな部分もあるのですが、そこがまた良さでもあります。

セカンドアルバムからはすでにプロの香りが漂ってきます。しかし、この「熱い胸さわぎ」から感じられる情熱は、ここでしか味わえないものでした。

プロになってしまう直前のアマチュアとしての一瞬のきらめきを真空パックした最高の作品と言えます。

今回は、サザンオールスターズの最初の一歩をご紹介しました。

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おまけ サザンオールスターズ その他のおすすめアルバム3選

10ナンバーズ・からっと

1979年4月に発売された、2枚目のアルバムです。

この作品は、サザンオールスターズの初期の代表作となりました。

デビューアルバムの衝撃もすごかったですが、この2枚目は粗削りなところがとれて、さらにポップさが増しています。

桑田佳祐の作る曲の世界も、ぐんぐん成長していて、あらためて才能を感じさせました。

演奏も、あいかわらず手堅いです。とくにこのアルバムでは原由子のピアノが強調されており、彼女の力強いタッチの演奏は大きなアクセントとなっています。

シングルが3曲収録されていますが、「気分しだいで責めないで」は、シングルレコードで発売されたものと違う演奏が収録されました。

気分しだいで責めないで シングル・バージョン

シングルバージョンも魅力的なので、ぜひ聴いていただきたいです。

アルバムは、オリコンで2位まで上昇する大ヒットとなりました。

「青春」という言葉がふさわしい、傑作アルバムです。

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NUDE MAN

1982年7月に発売された、5枚目のアルバムです。

印象的なジャケット写真、収録された曲の内容から「夏」「海」の印象がつよいアルバムになりました。

バラードが多いのも特徴です。「思い出のスター・ダスト」「Just A Little Bit」などの名曲が収録されています。

この時期のサザンオールスターズは、シングル「チャコの海岸物語」がひさびさの大ヒット。つづく「匂艶 THE NIGHT CLUB」もヒットし、乗りに乗っていました。

当時、アルバム・アーティストの色が濃かったサザンですが、このころからシングル・ヒットも連発、ナンバーワン・バンドの地位を確立していきます。

ギターの大森隆志の曲「猫」が良いアクセントになっていて、このアルバム全体に感じる「せつなさ」を際立たせました。

アルバムは当然のようにオリコンで1位となっています。

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KAMAKURA

1985年9月に発売された8枚目のアルバムで、サザンオールスターズ初の2枚組です。

本格的にデジタル・ミュージックを導入した作品で、1曲目の「Computer Children」では、スクラッチ、ノイズなどが使われていました。

初期の熱さは影をひそめ、全体的にクールな音作りがされています。しかし、サザンオールスターズらしさは変わらず、実験的ながらも「夏・海・サザン」のイメージは健在でした。

この時期、桑田佳祐の作曲能力は絶頂期をむかえています。

レコーディングには時間を費やし、当時の歌番組にはスタジオから中継して歌っていました。

このアルバム発表後、サザンオールスターズは活動休止期間に入ります。それまでの集大成として、「KAMAKURA」の魅力は現在でも色あせていません。

2枚組ながら、オリコンで1位を獲得しています。

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