【デビュー物語】シカゴ

デビューの瞬間には、さまざまなドラマがちりばめられています!

どんなスーパースターにも、新人の時がありました。

ここでは、さまざまなアーティストの最初の一歩をご紹介します。

今回は、シカゴです。

これを読めば、きっとあなたも「聴いてみたい!」と思われるでしょう。

それでは、どうぞ。

デビューまで

60年代後半、ロック・ミュージックの多様化は進み、さまざまな革新的なサウンドが生まれました。

その中で忘れてはならないのがブラス・ロック(ジャズ・ロック)です。

ロック・バンドの形態にジャズのトランペット、トロンボーンなどのブラス・セクションを加えたスタイルで、一時期かなり流行しました。

代表的なバンドは、卓越したテクニックとソウルフルなボーカルが特徴のブラッド・スウェット・アンド・ティアーズ、トランペットが4人という変則的な編成のチェイスなどです。

そして、今回取り上げるシカゴ。文字通りアメリカのシカゴにて、1967年に結成されました。

シカゴは、音楽スタイルを徐々に変化させながらも息の長い活動を続けることになります。

70年代半ば以降、シカゴはソフトなポップス路線に変わっていきました。

ポップス期の曲を知ってから興味を持ち、さかのぼって初期のブラス・ロックを好きになるというのも素敵ですね。

ここで、若干ややこしい部分を整理しておきます。

バンド名ですが、このデビューアルバム発表時点ではシカゴ・トランジット・オーソリティ(シカゴ交通局)と名乗っていました。

しかし、本物のシカゴ交通局からクレームが付いたため、2枚目のアルバムから単にシカゴとなります。

デビューアルバムのタイトルもバンド名と同じ「シカゴ・トランジット・オーソリティー」で、発表当時の日本盤タイトルは「シカゴの軌跡」でした。

なんだかベスト盤みたいなタイトルですがデビューアルバムです。

現在では、「シカゴⅠ(シカゴの軌跡)」と、わかりやすい表記になりました。

シカゴⅠ(シカゴの軌跡) Chicago Transit Authority

シカゴのデビューアルバムの発表は1969年。

ベトナム戦争、公民権運動などでアメリカは激動の時をむかえていました。

アルバムには「いったい現実を把握している者はいるだろうか?」「1968年8月29日シカゴ、民主党大会」などのタイトルが並んでおり、当時の時代背景がうかがえます。

しかし、その当時を知らない若い世代が聴いても、この素晴らしいサウンドは必ず伝わるでしょう。

強烈なブラス・セクション、かなり前衛的なギター・プレイなどは、まったく古くなっておらず、彼らの情熱がほとばしるさまがしっかりと収められています。

じっくり聴くのもよし、ドライブしながら聴くのもよし、といった普遍性もあって、意外とメロディアスでポップな部分も魅力でした。

デビューアルバムながら2枚組というボリュームですが、だらけたところはなく、あっという間に聴き終えることになります。

まさに、シカゴだけではなくロック界全体から見ても必聴の名盤です。

このアルバムはアメリカのチャートで17位まで上昇しました。

次作のアルバムはさらに大ヒットし、シカゴはアメリカを代表する人気バンドになってゆくのです。

今回は、シカゴの最初の一歩をご紹介しました。

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おまけ シカゴ その他のおすすめアルバム3選

シカゴⅡ(シカゴと23の誓い) Chicago

1970年1月に発売された2枚目のアルバムで、デビューアルバムに続き2枚組となっています。

衝撃のデビューアルバムと比較すると、よりポップさが増して聴きやすい作品になりました。

名曲「長い夜」が収録されていることから、一般的にはシカゴの代表作とよばれています。

「長い夜」におけるテリー・キャスのギターソロは、アルバムの最大の聴きどころです。

アルバムからはほかにも、「ぼくらに微笑みを」「ぼくらの世界をバラ色に」がヒットしました。

シカゴⅡは、ビルボードのアルバムチャートで4位と、デビューアルバムを超える成績をのこしています。

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シカゴⅤ ChicagoⅤ

1972年7月に発売された、5枚目のアルバムです。

シカゴのアルバムは、1枚目から3枚目までが2枚組、4枚目のライブ盤は4枚組と、大作つづきでした。

5枚目にしてようやく、1枚ものとしての発売になります。

これまでのアルバムでは組曲風にたくさんの楽曲がちりばめられていましたが、この作品からは一般的な構成となりました。

大ヒット曲「サタデイ・イン・ザ・パーク」はCMでもつかわれて、おなじみの曲です。

シカゴⅤは、ビルボードのアルバムチャートで9週間にわたり1位を獲得しました。

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ラヴ・ミー・トゥモロウ(シカゴ16) Chicago16

1982年6月に発売された、16枚目のアルバムです(ライブ盤、ベスト盤含む)。

レコード会社をワーナー・ブラザーズに移籍して、最初の作品です。

初期のブラス・ロック、そしてソフト・ロック路線と、活動をつづけてきたシカゴ。

しかしこの時期、その人気にやや翳りが見えてきます。

ヒットチャートの成績も、不振さが目立ってきました。

そんな時、起死回生の大ヒット曲がうまれます。シングル「素直になれなくて」は、ベースのピーター・セテラとプロデューサーのディヴィッド・フォスターの共作でした。

「素直になれなくて」はビルボードのシングルチャートで、2週連続1位となります。

続いて発売されたアルバム「シカゴ16」もアルバムチャートで9位の大ヒット。

こうしてシカゴは見事、復活を果たしたのでした。

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