デビューの瞬間には、さまざまなドラマがちりばめられています!
どんなスーパースターにも、新人の時がありました。
ここでは、さまざまなアーティストの最初の一歩をご紹介します。
今回は、ザ・ナックです。
これを読めば、きっとあなたも「聴いてみたい!」と思われるでしょう。
それでは、どうぞ。
デビューまで
ザ・ナックは1978年、アメリカのカリフォルニア州ロサンゼルスで結成されたロック・バンドです。
中心人物でリードボーカル、リズムギターのダグ・フィーガーは1952年、ミシガン州生まれ。
高校卒業後、地元デトロイトで結成されたロックバンド「スカイ」で活動を開始します。
スカイはアルバㇺ2枚を発表する実績を残しましたが、残念ながら成功を収めることはできず解散。
ダグは新たな活動のためロサンゼルスに向かいました。
そのロサンゼルスで1953年に生まれたのが、リードギターのバートン・アヴェールです。
ダグとバートンは、後にザ・ナックの作品となる多くの曲を共同で制作することになります。
ベースのプレスコット・ナイルズは1954年、ニューヨーク生まれ。
かつてはイギリスのロンドンで音楽活動をしていました。
ドラムのブルース・ゲイリーは1951年、カリフォルニア州生まれ。
元クリームのジャック・ブルースや元ローリング・ストーンズのミック・テイラーとも共演経験のある、すでに実績のあったミュージシャンです。
彼らはみな、経験豊富でした。この4人が揃って、ザ・ナックが誕生したのです。
ゲット・ザ・ナック Get the Knack
カリフォルニアでライブ活動を始めたザ・ナックのパフォーマンスは評判を呼ぶようになります。
彼らは日々激しい練習を積み重ねていきました。
やがて、複数のレコード会社が彼らをめぐって争奪戦を繰り広げるまでになります。
結局ザ・ナックは1979年、キャピトル・レコードと契約を結びました。
デビューアルバム「ゲット・ザ・ナック」は短期間、低予算で作られたアルバムでしたが、なんとこれが大ヒット。アルバムチャートで6週連続1位、200万枚を売り上げます。
そして彼らの代表曲「マイ・シャローナ」はシングルチャート5週連続1位、100万枚を売り上げたのです。
この曲は年間チャートでも1位となりました。
「マイ・シャローナ」はダグ・フィーガーのガールフレンド、シャローナ・アルペリンのことを歌った曲です。
彼女は、実際にシングルレコードのジャケット写真にも登場しました。
ザ・ナックは当時、「ビートルズの再来」というコンセプトで売り出されます。
たしかに、60年代のブリティッシュ・ロックを思い起こさせるシンプルでストレートなサウンドでした。
この時代の流行りの音楽とはだいぶかけ離れていますが、それがかえって時代を感じさせない、いつ聴いても新鮮に感じる魅力となっています。
この作品は「マイ・シャローナ」以外にも良い曲がたくさん詰まっている、軽快なロックンロール・アルバムです。
今回は、ザ・ナックの最初の一歩をご紹介しました。
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