ブルースには、音楽の魅力がすべて詰っています!
ブルースは現在主流のロック、ポップスなどの音楽のルーツとして、永遠に色あせない魅力を持っています。
ここでは、素晴らしいブルース・ミュージシャンたちをご紹介します。
今回は、B.B.キングです。
これを読めば、きっとあなたも「聴いてみたい!」と思われるでしょう。
それでは、どうぞ。
メンフィスへ
B.B.キングこと、ライリー・B・キングは1925年、アメリカのミシシッピ州で生まれました。
彼の音楽の原点となったのは、教会で聴いたゴスペル音楽です。
やがて、ミュージシャンだった従兄弟からの影響で、ブラインド・レモン・ジェファーソンなどのブルース音楽に親しむようになります。
10代の初め頃に彼はギターを手に入れ、ミュージシャンとしてのキャリアをスタートさせました。
また、歌手としてはゴスペル音楽の合唱隊に参加することで実力を磨いていきます。
10代の後半になると彼は農場で働きながら、ミュージシャンとしての仕事も開始することになりました。
しばらく農場での仕事と音楽活動という二足の草鞋生活をしていましたが、やがてプロとして活動していく意思が大きくなっていきます。
そして20歳のとき、希望を胸に音楽の都、テネシー州のメンフィスへとヒッチ・ハイクで旅立ちます。
この時彼が持っていたのは、肩に担いだギターと2ドルの現金でした。
B.B.キング
すぐに成功とはいかず、いろいろ苦労しますが、やがてラジオ局での仕事に就くことに成功します。
歌だけでなくディスク・ジョッキーもこなし、この時鍛えたトーク力は、のちにコンサートでの軽妙なおしゃべりとして活かされることになりました。
やがて彼はB.B.キングと呼ばれるようになります。
メンフィスにおいて、彼の音楽活動は徐々に実を結び、名前も知られるようになっていきました。
そして1949年、ついにレコード・デビューすることになったのです。
How Blue Can You Get
これ以降の活躍は、まさにブルース界のキングとして輝かしいものになっていきました。
彼の音楽の最大の魅力は、なんと言っても洗練されているところです。
もちろん彼以前にもたくさんの優れたブルースメンが居ました。
しかしB.B.キングは、ブルースというジャンルを一段と高いところまで押し上げたのです。
幅広く、ブルースの魅力を伝えてくれた第一人者と言えます。
彼の出現から、ブルースはいわゆるモダン・ブルースの時代になっていきました。
彼のブルースは伝統的なスタイルだけでなく、オーケストラをバックに演奏しても素晴らしいバランスを見せます。
残っているたくさんの映像のどれを見ても、そのギター・プレーは圧巻の一言。
独特のチョーキングやビブラートなどのテクニックはもちろん、歌うときにギターをちょこっと脇によけるしぐさ、おちゃめな表情までが魅力的です。
彼は、「自分は速弾きはできない」と謙遜しているのですが……。
また、歌声はまさにブルースそのもの。パワフルでありながら繊細で、明るいのに悲しく、まさに人生そのものをステージで見せてくれます。
ブルース・ギタリストのエリック・クラプトンは、B.B.キングから深い影響を受けました。
2人は何度か共演していますが、98年の映画「ブルース・ブラザーズ2000」では、彼らのほほえましいやり取りに、ほっこりさせられます。
80歳を過ぎても、年間100回ものステージをこなしていたB.B.キング。彼はショー・ビジネス界一の働き者でもありました。
まさに継続は力なりということを教えてくれる素晴らしいミュージシャンです。
今回は、B.B.キングをご紹介しました。
Amazon Musicで聴いてみましょう。